音源がたくさんあってもスピーカーやアンプは同じものを使いたい。そんな人も多いんじゃないかと思います。
今回は、オーディオラインセレクターを自作します。
きっかけ
普段、そこそこのアンプを使って、そこそこのスピーカーを鳴らしています。
テレビ繋いで日常的に使っているのですが、自作したWebラジオだったり、ラズパイだったりと音源が複数あるのです。
しかし、アンプでは入力ソースが切り替えられないということもあり、ラインセレクターが欲しくて探していました。
…どれも高価。しかも大きくて邪魔になりそう。
ラインセレクターぐらい自作できるんじゃね?という感じで作ることにしました!
コンセプト
シンプル!かっこよく!高品質!
これだけです(笑)
シンプルにしたいというのも、オーディオ系の自作が初めてなので、欲張ってして失敗しないようにしようということも考えています。
使用した部品・工具
まずは使用部品です。部品は秋葉原の秋月電子通商やマルツパーツで入手しました。
- HAMMOND ダイキャストボックス
- アルプス電気 ロータリースイッチ(4回路3接点)
- RCAジャック(スピーカ左右で赤白を4つずつ。金メッキ品を使用)
- ロータリースイッチのつまみ
- スピーカーケーブル(内部配線用)
こだわった部分は、アルプス電気のロータリースイッチです。
アルプス電気のスイッチは高品質で、スイッチのトルク感が絶妙です。コクッ、コクッという感じで気持ちがいいです。
次に使用した工具類です。
- 工作マット
- ピンバイス
- テーパーリーマー
- 棒ヤスリ
- 半田ごて一式
- テスター
最後に書きますが、今回の自作を機に電動ドリルを買いました。詳細は後ほど。
ケース加工に苦労する
ギターのエフェクター等に使われる、HAMMONDのダイキャストボックスが好きなので今回採用しました。
しかし、加工は非常に面倒でした。ましてや手作業は困難でした…。
「ピンバイスで貫通させる→テーパーリーマーで穴を大きくする→棒ヤスリで微調整」という流れ。
穴は9つだけですが、5時間近くケース加工を行なっていました。
肉厚ケースを使う場合は、電動ドリルを使った方が良いです。
これを教訓に電動ドリルを買いましたが、穴あけは瞬殺です。もっと早く買えばよかった。。。
ちなみに、趣味で使う電動ドリルはバッテリー式ではなく、コンセントから電源を取れるほうが良いと思います。
バッテリー残量やへたりを気にしなくていいので、気が向いた時にサクッと使えます。
ロータリースイッチの使い方で悩む
今回、一番苦労したのはロータリースイッチの配線です。
というのも、ロータリースイッチって内部回路がどうなっているのかサッパリ。。
ロータリースイッチの内部回路については、こちらのサイトが参考になりました。
特に、ロータリースイッチの「○回路○接点」という表現が理解できずに苦労しました。
私の解釈を書いておきます。
まず「4回路3接点」という言葉について。
「4つの回路」を「3つの接点」で同時に切り替えられます。
今回の例で当てはめると、音源1、音源2、音源3を切り替えるので「3接点」になります。
左右のスピーカーそれぞれで回路が必要になるので「2回路」が必要になります。
厳密に言えば、2回路3接点で良いのですが製品がありません。2回路使えれば良いので4回路あれば足りると言うわけです。
ですので、今回の場合は「4回路3接点」を利用しました。
また、ショーティングタイプとノンショーティングタイプがあります。
ショーティングタイプでは、スイッチを切り替える際に隣の回路と両方を接続(ショート)するタイミングがあります。
ノンショーティングタイプでは、スイッチを切り替える際に回路が切り離されてから接続されます。
今回の場合、切り替える際にショートするとまずいので、ノンショーティングタイプを使います。
ちなみに、箱に詰めるとぎゅうぎゅうになるので、配線の長さとケースのサイズは考えた方が良いです。
テスト
当初のイメージにピッタリな完成形!そりゃあ組み立てた時には感動です!
配線をした後に、アンプのスイッチON!ノイズなし!これは期待できる!!
曲を再生させると…綺麗に聞こえるじゃないですか!やったね!!!
じゃあソースを切り替えようとツマミを回して…プチっ!
あれ…?もう一度回すと…ブチッ!
うわぁぁぁぁ切り替えるとノイズ出る…これは気になるノイズだな…。
ノイズの原因を探る
ということで、ノイズの原因を調べました。
ロータリースイッチの切り替えで音が出るので、スイッチを疑いました。
テスターで調べても、ブリッジになっているわけでもない。ケースと触れているわけでもない。
というと、RCAジャックか…?
実は、RCAケーブルのGNDを共通化していないことが原因でした。
RCAケーブルのGND(コールド)は、スイッチで切り替えたとしても共通化しておけば、ノイズが出ないことがわかりました。
グランドを共通化すると言っても、右チャンネルと左チャンネルのスピーカーでは分離させる必要があります。
※ここで注意点があります。
金属製ケースを使用している場合、RCAジャックはケースとの絶縁体が挟まれていることを確認し、各チャンネルのグランドがケースに落ちていないことを確認して下さい。
まとめ
構造は単純なラインセレクターですが、良い勉強になりました。
このラインセレクターを毎日使っていますが、特に不具合は出ていません。
ラインセレクターというスイッチを追加しましたが、音質の変化は見られないので「高品質」という目標も達成したのではないでしょうか。普段から使えるものを自作すると、愛着が湧きますね!
すてきですね、この記事を拝見して私も同様にトライしてみたいと思いました。
当方、電気的初心者でありまして、ちょっと不明なところがありまして、
御指南いただきたくコメントさせていただきます。
ノイズ回避のための「グランドの共通化」の意味がわかりません。
各入力のマイナス=グランドをどこかの接点に統一するということですか?
ご教示いただけましたら幸いです。よろしくおねがいいたします。
コメントありがとうございます。
RCAケーブルは中心の接点がプラス、周囲の接点がグランドになっています。
「グランドの共通化」というのは、右チャンネルであれば右チャンネル、左チャンネルであれば左チャンネルのグランド接点同士を繋ぐ、ということです。(入力側と出力側のグランド接点は全て統一させます)
少し分からなかったので教えて下さい。
【左右のスピーカーそれぞれで回路が必要になるので「2回路」が必要になります。】
この文なのですが、右スピーカーで、右と接地の2回路。左スピーカーで左と接地の2回路。
合計で4回路と言う事ではないのでしょうか?
コメントありがとうございます。
こちらの図を見ていただければ4回路のうち2回路しか使っていないことがわかると思いますので参考にしてください。