日本伝統の器の修復方法である金継ぎですが、本格的な漆を使った金継ぎは時間がかかるので気軽にチャレンジするには難しいと思います。そんな金継ぎですが、化学の力を使って出来るなんちゃって金継ぎに挑戦してみました。
本格的な金継ぎの方法との違い
本格的な金継ぎでは、漆と金粉を使って割れた器を修復します。
漆の乾燥に時間がかかるため、1ヶ月ほどかかる場合もあります。
今回紹介するなんちゃって金継ぎは、2日で完成させることができました!
道具もホームセンターで揃えることができるので、DIY感覚で気軽にチャレンジできます。
注意事項としては、今回は接着剤として漆を使用していません。合成接着剤をメインで使っているため、食器などには積極的に使わない方が良いと思います。
個人的には常に口に入れるものだったり、赤ちゃんに使うものでなければ大丈夫かなーという感じで行なっています。あくまで自己責任で判断して下さい。
修復するもの
今回修復するのは、落として折れてしまった焼き物のマドラー、茶碗と丼の3つになります。
修復前の茶碗の写真を撮り忘れてしまったのですが、茶碗と丼は使っているうちに欠けてしまっていました。
結論から言うと、茶碗と丼は金継ぎに成功しましたが、マドラーは失敗しました(笑)
失敗の原因は、マドラーが細くて接着しても思ったように強度が出なかったことにあります。
(時間ができたら再度チャレンジしてみようと思っています!)
用意するもの
早速準備するものを紹介します。必要なものはコチラ。
- エポキシパテ
- 細い筆
- うるし(金色)
- うるし専用 薄め液
エポキシパテについては、接着する対象によって種類を変えて下さい。今回はプラスチック・陶磁器用のエポキシパテを使いました。
筆はできる限り細いものを用意した方が良いです。
漆は本物の漆ではなく、サンコー商会という会社の製品を使いました。
うるしの薄め液もあった方が見た目が良くなりますので購入するのをオススメします。
パテで欠け・割れた部分を修復
まずはエポキシパテを使って接着、欠けた部分を埋めていきます。
今回、マドラーはエポキシパテを使って接着、茶碗は欠けてしまった部分をなくしてしまったのでパテで埋めて形を整えました。
パテはある程度の形が整っていれば大丈夫です。乾燥後にヤスリで削って形を整えます。(パテが多い分には問題ありませんが、少ないと修正できないので注意して下さい)
このまま乾燥させます。今回は確実に乾燥させるため、24時間程度放置して乾かしました。
パテを削って形を整える
パテが乾燥しているのを確認し、はみ出ている部分をヤスリで削ります。
紙やすりでも構いませんが、棒ヤスリの方が使いやすいです。
ちなみに、写真のマドラーはヤスリで削っている作業中にパテが取れてしまって断念しました…。
細いものをパテで接合するときは結構多めにパテを盛らないといけないんでしょうかね…。
うるしを塗る
パテの形を整えたら、うるしを塗っていきます。
サンコー商会のうるしでは、接着材と金粉を混ぜることで金色の接着剤を作ります。
金粉とありますが、価格からすると本物の金ではないと思います。おそらく真鍮粉あたりでしょうか…。
それでも見た目は綺麗なので問題ないと思いますけどね(笑)
金粉と接着剤の割合を変えることで、金色の具合が変わってきます。
また、混ぜた直後は結構固めですが、うすめ液を数滴加えながら混ぜるとトロトロになってきて、良い感じに金粉の形が分からなくなります。
(うすめ液は強烈なシンナー臭がするので十分に換気しながら行いましょう!)
筆を使ってパテを隠すように漆を塗っていきます。
最終的に金色で見える部分になるので、慎重に塗っていきましょう。あまり分厚く塗りすぎると垂れてしまうので注意しましょう。
これで乾燥させれば完成です!
最後に
いかがでしょうか。
本物の金継ぎと比べるとかなり邪道ですが、お気に入りの器を手軽に修復することができるのでオススメですよ!